「新たなビジネスを始めよう」「脱サラして独立開業しよう」とするとき、どんな商売でも最低10年程度の実務経験を同業の会社などで積んでからでないと独立開業するのは無理だと一般的に言われています。開業資金を金融機関から借り入れる際にも、最低でも6年以上の同業種での実務経験が無いと審査すらしてくれないこともあります。しかし、実務経験が乏しくても、実際に実務経験が無くても、独立開業することができる手段の一つがフランチャイズです。

フランチャイズ(以下、FC)ビジネスも、今では星の数ほどの事業者があり、更に業種業態ごとに複数の会社があるような時代になりました。オンリーワンなら、その事業者にするしか選択の余地がありませんが、複数あるとどちらにすべきか迷ってしまうと思います。勿論、その業界に詳しければ、容易に判断できるかもしれませんが、やったことの無い業界に挑戦しようという場合、何を基準に検討すれば良いのでしょうか?

フランチャイズとはビジネスパートナーが協業し合う関係

FCビジネスは、「本部」と呼ばれるフランチャイザーと、「加盟店」と呼ばれるフランチャイジーがビジネスパートナーとして共に協力し合うこと、簡単に言えば、互いの不足している部分を補い合って協業することで企業規模を更に拡大し利益を上げてゆくことを目的としたビジネスモデルです。
本部はその事業の経営ノウハウを持っていて、直営で成功したビジネスモデルと商品開発力などを持っています。一方、加盟店は自己資本によって営業や販売を行う人手(労働力)を持っており、本部が提供する経営ノウハウや商品を利用して売上を上げると言うのがFCビジネスの基本的な考え方です。会社組織で言えば本社機能のような立場が「FC本部」で支店や営業所のような営業拠点が「FC加盟店」ということになります。

本部と加盟店は互いに独立した事業者同士のビジネスパートナー

冒頭でも書いたように、本来なら独立開業するためには10年前後の実務経験を積まなければならないと言われているのは、経営ノウハウを自分の中に充分に蓄積するのにそれだけの時間を要するからです。しかし、FCであれば、多大な時間を要するノウハウを本部が加盟店に提供することにより、経験を積んでいなくても基本的な社会人としての常識やコミュニケーション能力などがあれば、あとは本部の指導やトレーニングに従って全力で仕事をするだけで売上を上げることができると言うことから、FCであれば実務経験が少ない人でも独立開業のチャンスがあるというわけです。しかし、FCビジネスを加盟店としてやる場合、経営ノウハウは本部が提供してくれますが、やる人自身の管理(自己管理)は本人が自らが行なう必要があります。本部の人はビジネスパートナーであって会社の上司や先生ではありません。つまり、新入社員を一人前にするようなことまではしてくれません。

FC本部は単なる経験量よりノウハウの蓄積度が重要

さて、本題の「良いFC本部とはどんな本部か」という話ですが、FCビジネスについてここまでの説明でお気付きかもしれませんが、先ず良いFC本部のポイントは「充分な経営ノウハウを構築できているか」ということです。直営店を20店舗成功させてからFC本部化した会社と、数店舗しか成功させていないFC本部とでは、どちらが良いFC本部かと質問されたら、殆どの人が20店舗成功させた方だと答えると思います。しかし、FCビジネスの場合には単に数の問題だけでは良いとは言えません。それは、ノウハウの蓄積能力や改善力、問題解決能力、商品開発力と言った、ノウハウの構築とそれを加盟店に共有するための仕組みをどれだけきちんと作り込んでいるかということの方が重要なのです。単に勢いだけで20店舗を成功させたと言っても、それは20店舗20人の優秀な店長がたまたま居たからかもしれません。そして、素晴らしい人格と経験を持った店長が個々にお店で独創的な手法で売上を上げていたかもしれないわけです。それらをきちんと情報化し、ノウハウとして誰もが利用できる形に整理できていれば、まだ問題ないかもしれません。しかし、個人の独創的な方法はノウハウとしては成立し難い部分が多くあります。何故なら、それはその人のセンスが大きく影響するからです。また、沢山ある情報をきちんと整理してノウハウ化し加盟店に提供する準備が整っていない会社は、幾ら優秀な直営店が沢山あってもFC本部としては意味を成さないわけです。つまり、どんな人(加盟店)でも容易に理解し利用できる形にノウハウがきちんと整理され、かつ充分な量の蓄積が成されていることがFCビジネスにとって最も重要なポイントであり、それができているFC本部は良い本部と言えるわけです。

加盟店が稼ぎ本部が再投資に力を入れるFCが本当の良いFC

次に、本部と加盟店は協業関係にあると書きました。本部はノウハウの構築と加盟店支援のための仕組みを充実させ続け、加盟店が販売に専念し売上を上げ続けることを本部が支援することがFC本部の最大の責務です。何故なら協業だからです。加盟店が売上を上げれば上げるほど、本部は加盟店からもたらされる収益が増えます。その収益の一部を加盟店支援のために再投資して、加盟店が更に売上を上げるための経営ノウハウを構築するという善循環を行っているFC本部こそが良い本部です。

さてここで質問です。商売において最も難しいことは何でしょうか?

それは「集客」です。

どんな商売においても、集客力の無い商売は成功しません。

つまり、幾ら良い商品を持っていても、または素晴らしい販売ノウハウだけを持っていても、集客できなければ売りようがないのです。つまり、FC本部が持っていなければならない究極のノウハウは、集客までを含めた経営ノウハウであり、集客ができるFC本部こそが真に良いFC本部と言えるわけです。

MORIWORKS CO.,LDT

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