中の見えない店にお客様はなかなか入らない
お店を出店する際に最も重要なことは立地だと言われます。しかし、実はそれだけではありません。幾ら良い立地でもお客様になかなか利用して頂けないお店もあります。
それが…「店の中が外から見えないお店」です。
これは、一部の特殊な業種業態以外の店舗商売にあてはまります。
中で働いている人にとっては外から素通しで見える店内は、ある意味落ち着かない…という気持ちになるのは理解できますが、お客様にご来店頂けないと商売にはなりません。
お客様は入ったことのないお店の扉を開くのは、実はかなりの勇気が必要なのです。どうしても必要な物なら、又は 目的の物などが決まっていれば扉を開いて入ってきて下さいますが、他にも同じような店があったり、目的も無く何となくと言った場合には、勇気をふり絞ってまで扉を開こうとはしてくれません。しかし、大多数がそんなお客様なのですから、扉を開いて入ってきて貰うまで待っていては、それは大きな機会損失なのです。
ですから、出来るだけ中の様子が見える事は、お客様の心理的な障壁を下げることになり、扉を開いて入ってみようかと思ってもらえるかもしれません。
例えば、入ってしまって自分1人だけだと、落ち着いて品物見れないな…なんて時には、先客がいる姿を見ることが出来れば、ちょっと私も入ってみようと思えます。これが心理的な障壁を下げることになります。
いつもお客様で賑わっている様子が外から見えるお店なら、一体この店はどんなにいいことがあるんだろうって、目的が特になくても立ち寄ってみたくなったりもします。
最近では、ガラス越しに店内から外に向かって座る席がカフェなどでは多く取り入れられていますが、お客様もガラス1枚あれば自分の姿が外から見えていても、恥ずかしいと感じる人も少なくなりましたし、オープンテラスの席なども増えているくらいですから、外から見られるなんて気にしません。
お店側がオープンにしていれば、お客様もそれに呼応してご利用頂ける確率が高くなるのです。
これはお店の暖簾の長さもさにも言えることです。中がちょっと見える。賑わっている様子が見える程度の長さに調整することで、お客様の利用率はかなりアップします。
窓やガラス面にベタベタと中を隠すように貼り紙をしたり、目隠しをしているようでは、お客様は怪しがって入ってきては頂けないのです。
古ぼけたお店でも、この点を改善するだけも利用率はかなりアップします。
また、中が見えるようになると、お店を綺麗に保とうという気持ちにもなります。綺麗に保たれることでお客様の利用率はアップし、それが善循環となります。
お店を改装する際や、大掃除するときなどは、是非「外から中が見える化」を意識するべきです。
飲食店などのオープンキッチンは、そのお店の自信の表れでもあります。厨房の中は見せたく無い部分もありますが、出来るだけ見える化する事で確実にお客様の信頼を得ることが出来ます。裏でコソコソ何かしているように見えると、それはお客様の心理として、何か怪しい…という事に繋がるのです。見えるからこそ衛生面にも気遣うようになりますし、見えるだけでなく、匂い、音などにも気をつかうようになります。結果として、清潔で丁寧なオペレーションになり、これも善循環を生む事になります。
「中を見える化」には、もう一つメリットがあります。
外から中が見えるという事は、中からも外が見え易くなるという事です。狭い小さなお店の場合、外が見えるようになる事で、息苦しさが軽減されます。小さなお店の場合、どうしても狭苦しく感じてしまうのは仕方のない事ですが、外が見えることで、少し広くなったような気分になります。狭くても広く感じさせる、息苦しさを減少させるだけでもお客様の快適性は増します。それによって、お客様のリピート率は確実にアップします。
是非、「中を見える化」考えてみては如何でしょうか。
お店の改装、リニューアル等、当社にお気軽にご相談ください。