漏水に関するご相談は、家主様、テナント様(賃借人)の双方から年に数件はご相談があります。

家主様の場合には、その漏水の原因が建物の設備等からなのか、それとも被害を受けた上の階に入っている別のテナント(賃借人)によるものなのか、その漏水原因を先ず切り分ける必要があります。

被害を受けたテナント側の場合には、先ずやるべき事は漏水があった証拠を記録することです。証拠の記録で最も効力が高いのは、現場のその時の写真や動画を撮っておくことです。それも、出来るだけ多くです。

漏水が起きると、どうしても被害者は気が動転して焦ってしまいがちとなり、先ずは復旧を先行させがちですが、水が止まってしまい、被害者側で水を拭き取ったり掃除した後では、どの位の範囲でどのような被害を受けたかを第三者が確認することが難しくなってしまいます。ですから、水が掛かっては困るものを移動させたりする傍ら、水が掛かったり、漏れ出している様子など、出来るだけ詳細に写真撮影しておく事が、後々の補償交渉や復旧の際にとても重要となります。

被害を受けたから建物の管理会社や大家さんになんとかして下さいと連絡するだけでは、いくら被害者であっても満足な補償を受ける事は出来ません。また、仮に建物の管理会社の人が駆け付けてくれたとしても、証拠を残していなくては、その漏れてきた時の状況を想像することはできません。ですから、証拠は被害を受けたご本人が取っておかなければならないのです。

大抵の大家さんや上の階のテナントは、保険に加入しています。漏水を起こしてしまった場合には大抵は保険で補償する事になりますが、この時に保険会社も何も証拠が無い(支払い根拠がない)ものに保険金は支払えないのです。

ですから被害を受けた側は、出来るだけ多くの具体的な証拠を示せるように、写真や動画をたくさん撮っておくことをが重要になるわけです。

次に、私たち業者にご相談の際にも、実はご相談は事件が起きてから出来るだけ早いタイミングでご相談頂いた方が良いです。それは、日が経ってしまうと水が何処からどの様に出てきたかの判断がし辛くなるからです。この時にも、多くの写真や動画の存在は、様々な判断をする際に非常に助かります。また、被害額(復旧費用)を算出する際にも、有ると無いではかなり違ってきます。

保険による補償になる場合には、大体大雑把に以下のような流れになります。

①被害内容を確定する。(被害者及び業者と加害者)

②被害を復旧するための費用を算出する。(業者)

③業者が見積もった金額に対する妥当性と減価償却率を勘案(査定)し、賠償金額を決定する。(保険会社)

④賠償金額の確定(保険会社)〜支払い

保険金の支払いは、保険会社から復旧作業を行う業者に直接支払われます。営業店舗など場合には、それにより休業が発生した場合、休業補償や見舞金などは保険会社から直接被害者に対して支払われます。

ここで大切なのは、加害者本人が金額や被害査定を行うことは無いと言うことです。保険に加入していれば、その一連の作業は保険会社が加害者に代わって行い、解決までサポートしてくれるのです。

逆に被害者にとって大切なのは、加害者側の保険金だけでは満足な復旧作業が出来ない恐れがある事を知っておく必要があります。それが、減価償却の存在です。ですから、テナントも何かが起きた時に対応できる様に保険を掛けておくと、減価償却されて支払われない差額を自分の保険で賄うこともできる可能性があるのです。

被害を出した側も受けた側も、問題が起きてしまうと焦るばかりに冷静さを失ってしまい、感情的になってしまったり、やりとりが上手く出来なかったりするものです。

そう言った時には、先ずはご一報、ご相談下さい。