お店を始めたいと考えた時に、多くの人がやることは、自分が出したい地域の不動産屋さん回りをしたり、貸店舗の看板が出ている物件が無いかと捜し歩いたりします。しかし、そういう探し方では良い物件に出会うことができずに、なかなか自分の納得のゆく店を見つけ出すことができないまま時間だけが経過してしまうという人が多いようです。中には何年もかけて物件を探し続けているというような人も居ます。

何故、そのようなことが起きるのでしょうか?

物件を探す人の数に対して、店舗の流通量が少ない


実は、店舗物件を探している人の数は非常に多く、それに対して店舗物件として市場に流通している物件数は実はとても少ないのです。その証拠とも言えるのが、新しいショッピングセンターが出来ると必ず空き店舗はできないくらいに出店希望者が殺到するのです。日本では新しいショッピングセンターがオープンするときに空きテナントがあるなんてことは殆どありません。また、長く空き店舗だった街中の物件でも、気付けば何かしらのお店がオープンして、またいつの間にか空き店舗になっていると言うのを繰り返している物件もあります。

過疎化した地域や人が集まる場所が極端に移動したような場所以外のマーケット(人がある一定量以上居る地域)であれば商売は成立することから、マーケットがある地域の物件は殆どの場合、必ずと言って良いほど何かの業態が入って営業しているというわけです。
物件があっても利用してもらえない物件というのは、建物の状態が余程良くないとか、何かいわく付きの事故物件になってしまった、というような何か問題がある物件を除けば、多少難ありの物件でも何らかの店が入っていると言うのが現在の商業物件の状況なわけです。

店探しを生業としている人がたくさんいる


初めて物件探しをする人や小規模事業者に対して、既に店をやっていて会社組織になってくると物件を探すために専門の社員を抱えていたり、店の運営は社員に任せて社長自身が物件探しをしているなんて会社は少なくありません。こういう物件探しを生業としている人達(物件探しのプロの人達)は、広く物件情報の網を張り、常に新しい情報をいち早く仕入れ、競合他社より早く、より良い場所により良い条件で出店するための活動を四六時中行っています。こういう店舗開発マンは営業中のお店の状況までリサーチして閉店しそうな店までリストアップしている場合もあります。更に、商業物件専門の不動産業者と店舗開発マンは強いパイプで結ばれていて、優先的に物件情報を貰っています。ですから、初めて物件探しをする人や小規模事業者はなかなか理想的な良い物件に出会うこと自体難しく、非常に狭き門であるということなのです。

店を本気で始めたいなら物件探しにも戦略と戦術が必要


「何年もかけて物件を探し続けている」と冒頭に書きましたが、このような人は自分の頭の中に描いた理想通りの物件が見つからないので、いつまで経っても店探しが続いているわけです。しかし、それはハッキリ言えば理想が高過ぎるのです。これまでに述べたように、物件数は限られていますし、良い物件はプロたちに殆ど先取りされてしまうわけですから、理想の店は自分の目の前には殆ど現れることは無いと思います。また、少しばかり厳しい言い方をすれば、そんなに長く物件探しをしている人というのは、本気で店を始める気が無いと思われてしまいます。ですから、どこの不動産業者も本気でその人のために物件探しをしてくれないということも言えます。どんなことも第一歩を踏み出さねば何も始まりません。理想通りではなくても、努力と工夫で先ずは最初の一歩を踏み出すことの方が重要なわけです。理想通りでは無いけれど一歩を踏み出すためにはどうすれば良いかと言うと、物件探しにも戦略と戦術をきちんと考える必要があるということなのです。

物件探しの戦略と戦術


とあるテレビ番組で夢を持って地方から東京に出てきて独り暮らしを初めて始めるために家探しをするのをドキュメンタリータッチ追っている番組がありますが、まさに店探しの戦略・戦術は、あの番組と同じです。家賃の予算は限られていて、住みたい町は便利でお洒落な都市の中心地に近い人気の場所。こんな理想に対して現実は、希望の家賃では都心に近い物件は殆ど無く、電車で10分移動した郊外まで行けば予算に合う住みやすくて便利な街に綺麗で部屋も広く設備も整った物件はあります… みたいな話です。
物件探しをする場合、理想は捨てて条件を緩めるべきです。ピンポイントではなく、ある程度広いエリアを想定するべきなのです。また、自分の身の丈に合った立地で検討することも非常に重要です。いわゆる一等立地と言われるような場所は、大手チェーン店や強力な資本力が無いと出店できる可能性は殆どありません。ですから、最初からそういう場所は考えず、今の自分に合った場所で勝負することを考えるべきです。
この時に重要なことは、自分の予算に合っていることが重要です。予算は事業計画上、無理のないことです。契約金や家賃が明確にここまでという数値を決めておくべきです。次にマーケットです。競合がどのくらいあるのか、つまり物件はあっても出店余地がない(競合が既に非常に多い)マーケットは絶対に避けるべきです。できれば、そのマーケットでオンリーワンになれるような物件があれば、それは希望のエリアでなくても即買いだということが言えます。そして、物件のサイズや設備が足りないときに柔軟に商売の方法を検討することも必要です。よくあるのが飲食店で電気容量が足らないとかガスが引けないという場合に代替手段を考えるとか、店の広さが足らないときにメニュー構成を変えて狭くてもできる内容に変える、カウンターだけで商売できる形に検討し直すなどです。この柔軟さが無いと、いつまで経ってもスタートを切ることはできないと言えます。つまり、戦略はマーケットの状況に対して柔軟に対応できるかということです。そして、戦術は物件個々の問題に対して内容を柔軟に調整できる思考を持てるかどうかだということです。

MORIWORKS CO.,LDT

商業不動産を専門に扱う会社で建築部門の立ち上げのお手伝いをしていた時に、実際に仲介の仕事も経験してみたかったのでやらせて頂いていたことがあるのですが、不動産会社の営業マンとして物件の成約率を上げるためには、提案能力と調整能力が必要で、お客様に対して単に物件のご紹介をするだけでなく、お客様の業種業態を理解したうえで、その物件ならどのように利用すれば良いかというご提案も実際にしていました。また、お客様の業種業態ならどんな場所のどんな物件が良いか考えて物件をご提案するなんてこともしていました。勿論、建築に関する部分が本業でしたので、その部分のアドバイスもさせて頂いていたわけですが、やはりご提案に対して柔軟な思考でいろいろと工夫してご出店されるお客様は実際のご商売でも成功されて、あっという間に株式上場を果たされたお客様もいらっしゃいました。つまり、物件探しの段階でも戦略・戦術をもって始められている方ほど成功率は高いわけです。こだわりもある意味では大切なことですが、それは実際のお店を始めた段階でお客様に対してのサービスの質の部分に徹底的にこだわるべきであって、物件選びでは柔軟な思考が求められるということです。

当社では、商業物件専門各社や様々な流通事業者とのパイプもございますので、物件探しのお手伝いから、物件探しの戦略・戦術のアドバイスまで、総合的な出店アドバイザリーも行っています。先ずはお気軽にご相談ください。