店舗物件探しをする前に不動産業者のことを知ろう
店舗物件探しを初めてする人が最初にあたる壁は「良い物件の情報がなかなか入ってこないこと」です。そして、次にあたる壁は「ようやく良い情報に巡り合って入居の申し込みをしても家主の審査が通らないこと」です。
この2つの壁を延々と乗り越えられずに気付けば何年か時間が経過していたなんてことは、実は珍しい話ではありません。以前の記事でも書いたように、店舗物件探しは競争相手が多いことなど、物件探しの段階から競争が始まっているわけです。
しかし、店舗物件を効率的に探す方法が全くないわけではありません。しかし、効率的に探すためには、店舗物件を扱う不動産業者のことをよく知っておく必要があります。
不動産業者の全てが店舗物件を扱っているわけではない
不動産業者とは、不動産の売買や貸借の仲介や物件の管理などを行っている業者のことをいうわけですが、不動産業者の全てが店舗物件を扱っているわけではありません。住居専門、山専門、別荘専門、土地専門、売買専門、賃貸専門などなど、専門分野や得意分野を専門としている業者が殆どなのです。ですから、店舗物件を専門に扱う不動産業者も同様に居るわけです。
この種類別の業者の他に地域に特化した、いわゆる「地場の不動産業者」と言うのがあります。この不動産業者は地域の不動産物件の管理を持ち主から任されている業者のことで「不動産管理業者」と呼んだりもします。主に地域の賃貸物件等の管理をしているわけですが、時には管理している物件の売買も行ったりもしています。こういう地場の管理業者は、その地域の物件に強く、古くからの地域の地主が所有する物件などを中心に管理しています。近年では、核家族化がすすんだことから、所有者がその地域には住んでおらず、代々の土地建物の管理をこういった地場の業者が管理していると言ったことも少なくありません。この地場の管理業者は、その地域の店舗物件も所有者から預かって管理しています。
店舗物件の仲介はとても面倒なので多くの業者はやりたがらない
実は、店舗物件の仲介は特別な専門知識が必要なこと、更に申込が入っても申込者の融資が通らないことも少なくないため、時間を要するだけでなく決まり辛いことなどから、多くの不動産業者は店舗物件を扱いたがらない傾向にあります。また、地場の業者が自社で物件情報を店先に掲示しても、面倒が多くて決まり辛いことから、直接お客様対応をしたくないわけです。こういう業者は店頭に物件の掲示すら出していないところも多いです。では、地場の業者が管理している店舗物件はどうやって借り手を探しているのかと言うと、店舗物件の専門業者に情報を流しているのです。勿論、全国の不動産業者が閲覧することができる情報システムへの掲載をしている場合もありますが、システムへの登録すら面倒がってしない業者も居る程です。自社で募集するよりも、専門業者が客付けしてくれた方が効率が良いことや、面倒な作業をする必要が無くなることから、本来の管理業務に集中することができるので、地場の業者は主業務である貸主との間の調整だけで済むわけです。
この、物件の所有者(貸主)と直接つながっている業者のことを業界では「元付」と呼び、物件情報を収集してお客様を付ける業者を「客付」と呼びます。不動産業者は、「元付」と「客付」でぞれぞれ家賃1ヶ月分の仲介手数料を不動産業法でとることが許されていますから、元付と客付の両方を地場の業者自身で行えば、両方の仲介手数料をとること(両手取り)が出来るわけですが、面倒な店舗物件の場合には、面倒を避けて専門業者にお客様の対応は任せているわけです。
店舗専門業者の中でも扱い物件に種類がある
地場の業者が物件の所有者から依頼を受けて物件管理を行う場合、この物件のことを「自社物件」呼びます。客付け業者からすれば、この物件は他社が管理していることから「他社物件」と呼びます。しかし、この自社物件ですが、必ずしも地場業者だけが持っているとは限りません。物件の所有者が、自分の所有する店舗物件を店舗物件専門業者に管理委託した場合には、店舗物件専門の業者の自社物件となるわけです。
つまり、店舗物件を専門に扱う業者の中には、自社物件を多数抱えている業者も居ます。東京だと都心を中心に繁華街などの店舗物件を専門に扱っている業者の多くが自社物件を抱えています。この自社物件を抱えている業者は、物件情報を一般公開してない物件を多く持っている場合があるのです。この一般公開していない物件も、なかなか借り手が付かないと公開物件になってゆくわけですが、人気の物件については、自社内で抱える顧客リストに優先的に紹介されたり、その物件に入居して欲しいテナントへの直接勧誘など、専門業者ならではの営業活動を行ったりもしているわけです。
不動産業者を通じて効率的に店舗物件を探す方法
ようやく結論部分に入りますが、これまでお読み頂いてきたように、不動産業者と言えども、すべての不動産業者が店舗物件を扱っているわけではないということをおわかり頂けたでしょうか? 店舗物件を探すとき、探している地域によって強みのある業者が変わってきます。都市部の繁華街などで出店を目指す時には、絶対的に店舗物件専門の不動産業者に相談すべきです。何故なら、自社物件を抱えている可能性が非常に高いからです。
次に、有力なのは、実は地場の古い不動産業者です。地場業者は店舗物件をやりたがらないと書きましたが、それでも自社物件として持っているのは地場の不動産業者なのです。ですから、話を聞きに地場の不動産業者に入るわけです。物件に心当たりが無ければ、無いと言われるだけですが、自社物件がある場合には、それを客付けとして扱っている不動産屋に紹介してくれたり、自社でやって良い場合には、そのまま紹介してくれる可能性があります。
そして更に次は、地場でも新しい業者です。新しい業者は、何でも精力的に対応してくれる可能性があります。勿論、自社で開拓した自社物件を持っている場合もありますから、入ってみる価値はあります。
つまり、出店したい地域の不動産業者は、全て直接あたってみるということです。
店舗専門業者は、インターネットのホームページから登録させてメールで物件情報を送ってくるというサービスをしている業者が殆どですが、ここで送られてくる情報は最新の情報では必ずしもありません。また、ネットで登録している人よりも、確実に借りてくれそうな、又は確実に審査が通りそうな登録客に優先的に情報を流す場合もあります。ですから、最新の情報が欲しければ、その会社の営業マンと直接やりとりするようにしなければ、優良な情報はなかなか手に入れることはできないわけです。
ですから、先ずは地場業者の場合には。、脚を使って直接訪問で物件紹介を受ける。更に、店舗物件専門業者の場合でも、フロントサービスしている会社であれば、直接訪問してみる。フロントサービスしていない会社の場合でも、電話で問い合わせしてみることです。
大多数の人が、ネットの情報を元に動いていますが、直接来て話をしてゆく客のことは不動産業者も忘れません。本気度を見せることで業者にも本気で探してもらうことこそ、不動産業者を使って効率的に探す方法の極意と言えるわけです。
当社では、お客様が探してこられた物件の判断材料としてのマーケット調査レポートの作成や、不動産業者との交渉などのお手伝いなど、物件獲得に向けたアドバイスなども行っています。また、当社が扱う物件などの情報のご紹介も可能です。
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